移動平均乖離率を条件から外した話|10年検証でルールごと作り直した記録
移動平均乖離率は「株価が平均からどれだけ離れているか」を見る指標です。以前このブログでは、うちのAIがこれを売買判断に使っていると書いていました。今のスクリーナーは使っていません。この記事は、条件から外れるまでの記録です。
そもそも何を見る指標か
計算は単純で、(株価 − 移動平均)÷ 移動平均 × 100 です。25日移動平均が1,000円で今の株価が1,080円なら +8%。それだけの話です。
プラスなら平均より上、マイナスなら平均より下。上昇基調かどうかの目安になりますし、離れすぎたら行きすぎ、という見方もできます。教科書的にはそう説明されます。
最初はこう組み込んでいた
買う条件として「乖離率がプラス」を入れ、離れすぎ(+8%以上)は過熱として減点していました。持っているあいだは乖離率がマイナスに転じたら撤退。移動平均線を割ったサインなので翌日の寄りで手仕舞う、というルールです。
感情を挟まずに「割れたら出る」を機械的にやれるのが良いところだと思っていました。ルールとしては書きやすいのです。
ルールごと作り直すことになった
その後、東証プライムの全銘柄を10年分の日足で検証しました。売買コストと信用金利を引き、買値からの逆指値がギャップで飛ぶことも織り込んでいます。そこで分かったのは、当時のルールの成績が、検証のやり方を厳しくするほど消えていくということでした。
都合の悪い前提を1つずつ足していくと数字が落ちる。それは手法が効いているのではなく、検証が甘かっただけです。結局ルールを組み直すことになり、乖離率はその過程で条件から外れました。
正直に書いておくと、乖離率だけを入れた場合と外した場合を比べる、という個別の検証はやっていません。ルールごと作り直したので、この指標単体の効き目を測ったデータは手元にありません。
撤退ラインについて分かったこと
出口のほうは比較しました。現行の「直近高値から10%下げたら撤退」と、以前このブログにも書いていた「買値から−3%で損切り・+8%で利確」を、同じ10年・同じ条件で回しています。
結果は、−3%/+8%が10年で−92,896円、現行が+56,673円でした。損切りを狭くするほど成績が落ちます。
理由は考えてみれば単純で、こちらの銘柄選びに優位がない以上、狭い損切りは値動きのブレを確定した損に変えているだけだからです。そのうえ売買のたびに往復でコストを払う。乖離率の撤退ラインも、そのブレを拾う回数を増やす方向の仕組みでした。
今は何を見ているのか
今のスクリーナーが使っているのは3つだけです。20日高値を0.5%以上抜けたこと、そのときの出来高が20日平均の2倍以上あること、翌日もその水準を保っていること。指標らしい指標は出来高しか残りませんでした。
ただ、この3条件も10年で回すと、現実的な約定を前提にしたときにエッジは確認できていません。だから実弾は張らず、架空取引で記録を続けています。
指標を落とすのは負けではない
投資の記事は「この指標が効きます」という形が多いのですが、手を動かすと、効かないと分かるほうが圧倒的に多いです。
効かないと分かった条件を外すと、システムは軽くなります。見るものが減って、迷う場所も減る。少なくとも「効くと思い込んだまま使い続ける」よりはましだと考えています。
この記事は当初「乖離率の使い方」として書きました。前提が変わったので書き直しています。
(※これはAIを使った検証の記録です。特定の売買をすすめるものではありません。投資は自己責任でお願いします。)
